〇2020年の色
30代から40代では上位5色以内に無彩色が3色、50代以降になると上位5色以内に無彩色が4色登場しています。
20代ではグレイよりもブラックやホワイトが高くなっています。
〇2021年の色
20代から50代までは、ライトトーンもしくはビビッドトーンのレッド、オレンジ、イエローが上位5色を占めますが、60代ではライトブルーグリーンが1位に登場し、他の年代層とは異なる傾向を示しています。
ピンクは全年代層で5色以内に入っていますが、特に30代から50代で上位2色以内に登場しています。
<年代層別の色相選択傾向>
続いて、年代層と10色相ごとに選択率を算出した結果を図5-1、図5-2に示します。
図5-1 「20年の色」年代層別 10色相の合計選択率
図5-2 「21年の色」年代層別 10色相の合計選択率
○2020年の色
20代はパープルやバイオレット、イエローグリーンの選択率は他の年代層よりも低く、レッド、オレンジ、グリーン、ブルーなどは他の年代層よりもやや高い選択率を示しました。
○2021年の色
20代と30代はレッドからイエローにかけての暖色系に多く選択が見られますが、イエローについては年代層が高くなると選択率が減少する傾向が見られました。
<年代層別のトーン選択傾向>
続いて、年代層とトーンごとに選択率を算出した結果を図5-3、図5-4に示します。
図5-3 「20年の色」年代層別 トーンの合計選択率
図5-4 「21年の色」年代層別 トーンの合計選択率
○2020年の色
20代はビビッドトーンとライトトーンの合計選択率が20%を超えますが、その他のトーンの合計選択率は10%未満でした。
30代は、ライトトーンの合計選択率は約25%を超えますが、その他のトーンの合計選択率は15%未満でした。
40代以降になると、20%以上を超える合計選択率を示すトーンはなく、比較的分散する傾向が見られています。
○2021年の色
全ての年代層において、ライトトーンとビビッドトーンの2つのトーンにある程度の集中傾向が見られます。
<年代層別の色相とトーン選択傾向>
続いて、第4回と同様、選択率が他のトーンより高い傾向にあるライトトーンとビビッドトーン、無彩色に着目し年代ごとに集計しました。 その結果が図5-5、図5-6です。
図5-5 「20年の色」ライト・ビビッドトーンおよび無彩色での年代層別合計選択率
〇2020年の色
年代層が高くなるほどダークグレイを多く選ぶ傾向が見られました。20代では2%と少なく、年代層が上がるに連れて多くなり、60代では16%に達しています。
一方、ビビッドイエローは年代層が高くなるにつれて少ない選択率を示しました。
ライトグレイやミディアムグレイ、ダークグレイといったグレイ系の選択率が他の年代と比べ20代は少ないことも特徴として挙げられます。
図5-6 「21年の色」ライト・ビビッドトーンおよび無彩色での年代層別合計選択率
〇2021年の色
「21年の色」は、図5-5の「20年の色」と比較して、すべての年代層においてグレイ系やブラックといった無彩色に対する選択率が低いことが特徴として挙げられます。
その他の特徴として、20代ではビビッドイエローがより選ばれる傾向が見られ、年代層が高くなるにつれて、ビビッドイエローの選択率は減少傾向を示しました。
ブルーグリーンはトーンの違いにより選択率に差が見られ、ライトトーンでは60代を中心に多く選択されましたが、
ビビッドトーンになると、全ての年代層で選択がほとんど見られない結果となりました。
<有彩色と無彩色の合計選択率>
選択色の有彩色と無彩色の割合を年代層別に示したものが図5-7、図5-8です。
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図5-7 「20年の色」年代層別有彩色と無彩色の合計選択率 |
図5-8 「21年の色」年代層別有彩色と無彩色の合計選択率 |
「20年の色」では、無彩色の割合が20代から40代までは25%以内に収まっていましたが、50代から60代になると、35%近くにまで跳ね上がっていることが分かります。
一方、「21年の色」は年代層の違いによる差はほとんど見られない結果となりました。
<おわりに>
本調査では、色や色調の好き嫌い、グリーン系の色のニュアンスの好み、配色のイメージについての質問も行っています。
これから、これらの調査結果の他に、コロナ禍前の2018年年末に同様の方法で行った嗜好色調査結果との比較も含めて報告書として頒布の予定です。
今年の年末にも「今年の色」調査をWebアンケート形式で実施する予定でおります。詳しくは色研HPにてお知らせいたしますので、ぜひご協力いただけますと幸いです。
データの転載、複製を禁じます。
〈研究第1部〉
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