前日との温度差が10度近くも変化する安定しない天候が続き、春は足踏み状態である。しかし、花屋の店頭にはチューリップ、スミレ、パンジー,桜草,ポピー,フリージィア,ヒヤシンスなど色とりどりの春の花が飾られ賑わいを見せている。
花の色は、赤あり,白あり,黄あり,橙ありと実に豊富である。その色は幾つかの色素が組み合わさって発色しているが、すべての花の色素について調べ尽くされているわけでなく、謎の部分も多い。しかし、色素の種類は非常に多いもののフラボン類,カロチン類,及びアントシアン類の3種類に類別されることが知られている。 色素と花の色との関係は複雑であるが、大まかに次のように対応づけることができる。
フラボン : 白・薄い黄
カロチン : 赤・オレンジ・黄
アントシアニン : 赤・ピンク・オレンジ・紫
今回の測色資料は、一年草で様々な花色を持つスイートピーを測定してみた。測定は葉色などと同じように裏透けの影響を考慮し、花びらを複数枚重ねて測定している。 その分光分布から白や紫のように一種類の色素のよって発色しているように見える色と、橙のように複数の色素が混じっているように見える色とがあることが伺える。