「白」という色は極めて重要かつ特異な色である。測色技術からみると、「完全拡散反射面」というすべての波長の光を100%反射する「理想的な白」が基準となり、それに対する反射率の比を「絶対反射率」という。
「完全拡散反射面」は実物が得られないため、酸化マグネシウム(MgO)の煙着面や硫酸バリウム
(Ba2So4)粉末の圧着面に絶対反射率を値付けして「標準白色面」として用いる。「白」には測色における原器の役割がある。
分光反射率曲線をみるとMgOは、すべての波長において99%前後の一様な高い反射率を示す。標準白色面として用いられるゆえんである。色研製の色紙は、MgOに比べ反射率は低いが450nm以上でほぼフラットな分光特性を持つ。
他のサンプルは身の回りにある「白い物」を選んでみた。「白い物」のなかには蛍光増白剤が混入された物が多く、それらは通常の測色が出来ない。ワイシャツなどの衣類はその代表である。
ティッシュペーパーは、蛍光染料を使用していない旨をうたっている2枚重ねのものを8つ折にして計32枚重ねにした。熱転写用紙は、最近ワープロ用として急速に普及し始めている。6枚重ねにした。
カラー印画紙はメーカーによって蛍光増白剤を多く使用した物もあるが、このサンプルは僅かであったのでそのまま測色した。9枚重ね。複数枚重ねて測色しているのは、1枚ではスケがあるためである。測色結果に変化の出ない程度に重ねた。