いちごは甘みが強い赤色の果実で、近年冷凍が盛んになり、季節なしで賞味されるようである。この色味であるが、農林水産省編・日本園芸植物標準色票,その他色票及び文献等を調べると、
色相(H) : 1〜4R(または、7R程度まで)
明度(V) : 3〜4
彩度(C) : 8〜10 程度が、いちごと称せられる色の領域で、
英名では「vivid
red」 と呼ばれている。
ところで、測色の際にいちごの表面上のツブツブが気になるところであるが、いちごの色が濃紅色であったために、比較的ほぼ均一な色味となり、問題は無かったと思われる。
次に、このいちごの色に対して、各色票化(塗料色見本,印刷色見本等)されているものを用いて、自然色との違いを見ようとしたが、イメージ的(いちごの表面上の光沢、テクスチャー及び全体の形態等により違うため:
光沢を含んだ測色値も下記に示した)に違いがあり、具合のよい色票がなかった。
そこで、当研究所・色票研究室の協力により、視感複製してもらった。
その結果、この色紙はよくいちごの色と近似しており、前期のイメージの合わない色見本等のものよりよいが、比較すると測色いちごの色に対して、色相が赤味で、明度・彩度が低くなっている違いになった。