<測色資料> コーラの色
COLOR No.172掲載
なぜか炭酸水が健康に良いとして持て囃されている。炭酸水で洗顔をしたり、入浴をしたり、飲用したりと。でも飲用ではその効能のほとんどは眉唾らしい。とはいえ炭酸飲料は爽快感を十分に味わうことが出来るし、古くから愛飲されているのも事実である。今回はコーラを取り上げた。
コーラの起源はアフリカの熱帯雨林に植生するアオイ科植物の「コーラの実」の果汁を誤って炭酸水で割ったものだそうで、その味や香り、カフェイン含有を模してカラメルや甘味料、カフェインなどに炭酸水を加えたものが現在のコーラである。
コーラといえば以前はC社とP社と思っていたが最近は多くのメーカーから出ているらしい。
試料を入手した酒店では計4社から6製品が出ていた。
A: コカコーラ オリジナルテイスト
B: コカコーラ・ゼロカロリー
C: コカコーラ・ゼロカフェイン
D: ペプシ・ジャパンテイストゼロカロリー
E: キリン・メッツコーラ
F: トップバリュー・カロリーオフコーラ
測定は透過率測定として、通常通り日本電色製SD-7000分光色彩計を用いて10mm長の透過セルで精製水を基準とし、分光透過率を測定し、CIELAB値に着目してみた。
C社の3製品とP社は分光カーブ、L*a*b*値ともほぼ同じ。K社とT社は透過率がやや高くL*値が高い。K社はC*値がやや低く、T社はC*値がやや高い。C社の3製品はカロリーやカフェインの含有量が異なるが色は全く同じといえる。P社までもが同じというのは驚きである。伝統的なコーラ色が確立されているいうことか。
紙コップに深さ1cmほどを入れ上方から観察したが目視ではほとんど差はわからなかった。
写真1 評価に使用したコーラ
表1 測色結果 (D65, 2°)
試料 |
L* |
a* |
b* |
C* |
Hab° |
マンセル値 |
A |
54.0 |
21.5 |
63.1 |
66.7 |
71.2 |
7.9YR 5.3/10.8 |
B |
54.6 |
21.1 |
63.2 |
66.6 |
71.6 |
8.0YR 5.4/10.8 |
C |
55.6 |
20.9 |
63.5 |
66.8 |
71.8 |
8.1YR 5.5/10.8 |
D |
54.1 |
21.9 |
62.3 |
66.0 |
70.6 |
7.7YR 5.3/10.8 |
E |
60.1 |
18.0 |
61.9 |
64.5 |
73.8 |
8.9YR 5.9/10.3 |
F |
61.4 |
20.1 |
69.2 |
72.1 |
73.9 |
8.6YR 6.1/11.6 |
図1 分光透過率
図2 L*C*図
〈小林 信治〉
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