先日、本誌測色資料の整理をしていたところ、12号(昭和46年9月)に、国内外16種類のたばこのパッケージのマンセル記号(分光反射率分布は未掲載)が紹介されているのを見つけた。
たばこの有害論争のはしりで、パッケージに喫煙に対する有害情報を明記するかどうかが議論され、たばこ屋の店頭には、25種類のたばこのニコチン含有量と吸い方の注意を記した紙片が置かれていることが紹介されている。30年後の現在との様変わりには驚かされる。そこには、たばこの別用途として、大きさや色などの目安を示す比較対象として、写真に撮られたり、表現方法の引き合いに出されることが有ることを紹介している。色はともかく、大きさの目安としては、現在でも見ることが出来るので、禁煙運動によって隅に追いやられたたばこも、まだまだ身近な物の一つと言うことかもしれない。
今回は、12号に紹介されているたばこから、現在でも市販され、入手し易いパッケージ4種類となじみのある2種類を測定した。
参考に、12号での測色値を併記した。12号での測色部位の記述が残っていないので即断は出来ないが、30年間にわたって色が変更されていない物とそうでない物が見られ、生活習慣や喫煙思考の影響が強いとはいえ、パッケージにおける色彩の訴求力の大きさが伺える。 (岩槻スタジオ 測色資料担当)