立秋が過ぎても真夏日が続き、今年は夏バテが心配な秋を迎えようとしている。8月から10月ごろんかけて、ケイトウ、サルビア、マリーゴールドそしてキクなどが、赤や黄色の色鮮やかな花をたくさんさ貸せて目を楽しませてくれる。花は彩彩である。
ところで、料理のファッション化にともなってスーパーマーケットの野菜売場にも彩彩が見られる。 特に、赤、橙、黄、黒、の色も鮮やかなピーマンが目立っている。子供の嫌いな野菜の第1位というが、好きな野菜の部にも顔を出すという。 頭が「ピーマン」という言葉が流行したように、緑黄色野菜の代表として多くの料理に用いられているにもかかわらず、若年者にとっては敬遠されがちな野菜といえる。
ピーマンはトウガラシと同種であることを知らない人もいるというが、コロンブスがトマトやジャガイモと一緒に新大陸からヨーロッパに持ち帰った辛トウガラシが、スペイン胡椒やインド胡椒と呼ばれて世界に広がり、日本にはポルトガル人などによって16世紀の後半に渡来したとされている。今食べられている、いわゆるピーマンは甘トウガラシといい、アメリカで品種改良された辛くないトウガラシであり、カリフォルニアワンダーなどが日本で栽培されだしたのは明治に入ってからである。
ピーマンはビタミンCの含有量が多く(レモンの2倍)、カロチンも多く含んでいるため身体に抵抗力を強め、夏バテを予防する効果があり、脂肪の代謝を促し高血圧や動脈硬化の予防にも役立つとされる優れ物の野菜といえる。
野菜売場に並んでいる緑色ピーマンは未成熟の物で、成熟するとほとんどが赤くなり、一部の品種で橙や黄色を呈する。 赤色ピーマンは厚肉大型種の熟果でカロチンとリコピンで発色したものが売られ、煮ても鮮やかな色を保っている。これに対して黒いピーマンは緑色にアントシアンによる紫が混じったもので、煮るとアントシアンが熱で溶出するため緑に戻ってしまう。
今回は、赤、橙、黄、緑を呈する大型のピーマンを直接測定してみた。
ピーマンは不透明ではなく透過性を持っているため、花と同様に縦切りした果肉を重ねて測定する方が適当であるが、標準色票を用いた視感測色の結果と大きな違いが見られなかったので、そのまま測定した結果を紹介する。