長野冬季五輪が2月7日から2月22日までの16日間開催される。参加国は72カ国に達すると予想されている。開催期間中には様々な競技で、4年間のたゆまぬ練習によって培われた体力・技術によるレベルの高い戦いがくりひろげられる。その模様は、世界中に即時に電送され、TVの前で数億の人達が観戦する。前回のリレハンメルでの放送技術は高く評価され、長野での目標になっていると聞く。アイスホッケー会場になるビッグハット、フィギュアスケート会場になるホワイトリングなどの新設された競技会場の照明は、高精細なTV放送に耐えるように、光量はもとより演色性や配光についての配慮がなされ、本番の放送を待っている。関係者の努力を聞くとき、我が国の放送や照明技術のすばらしさが、競技者の活躍とともに世界にむけて発信されることを期待したい。
ところで、全国都道府県では県の花、鳥及び木を指定している。長野県の県花には熊本県と同じくリンドウ(竜胆)が指定されている。
竜胆の名は、根が胆汁のように非常に苦いことに由来している。北海道を除く全国の山や丘陵地に生える多年草で、長さ4〜6pの鐘状の青紫色の花冠をつけることで知られている。襲の色目(表が蘇芳、裏が青:広辞苑より)や家紋として古くから親しまれている花の一つである。
残念ながら花は秋のもので、測定して紹介することができないが、季節になると観賞用としても流通しているので、紫の花冠が2房、3房と咲き、笹に似ている葉とともに独特な雰囲気を醸し出している姿を見ることができる。
竜胆の根は煎じて胃薬として利用されるが、同じ青紫の花を持つキキョウ(桔梗)も北海道南部から沖縄までの日当たりのよい山野にはえ、根は薬用として用いられている。桔梗も竜胆と同様に襲の色目(表が二藍、裏が青:広辞苑より)や家紋として用いられており、万葉集で秋の七草に読まれるアサガオは桔梗のこととされている。桔梗の花も夏から秋であるが、測定例が幾つか手元に見つかったので紹介する。
桔梗色は、平安朝以来、青みの紫色を表す代表的な伝統色名の一つとして知られている。英名のバイオレットと同じように他の色名の修飾語にも用いられており、紺桔梗、紅桔梗、桔梗納戸などの色名がある。
測定結果は、JIS物体色の色名の系統色名表示では「青紫」であり、慣用色名に見られる桔梗色の代表値より、やや彩度が低い値である。