<研究1部報> 建築塗装会社の色彩講座
COLOR No.162掲載
今年の9月に埼玉県越谷市にある建築塗装を主要な業務とする(有)田崎建装で、色彩講座を開催した。
事の成り行きは、現在当研究所が協力している文科省委託「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業の「クリエイティブ分野(デザイン)の中核的専門人材養成におけるモデルカリキュラムの開発と評価」で科目「色彩」の導入編カリキュラム案を開発したところから始まる。
この色彩導入編のカリキュラム案は、原案作成時から幅広い活用を想定することができた。そこで、このカリキュラム案の効果を検証していく講座として、地方の様々な業種の人やまた東京に本社を置く色材を供給している企業の方にも受講頂いた。ここでご紹介する色彩講座もその一環である。カラー・ビジネスネット・ワーク(CBN)で知り合った(有)田崎建装の北城取締役に講座の開催についてお願いしたところご快諾頂き、この色彩講座が実現した。
色彩導入編は現在4種類のテーマを開発している。「色の役割」「光と色」「混色の基礎」「色彩調和の基礎」である。講座は、1週間に1度、1テーマを実施することでスタートし、講座時間は受講後のアンケートを含めておおよそ1時間程度とした。
受講頂いたのは田崎建装の社員や知り合いの塗装工の皆さんであり、毎回6〜8名の方にお集まり頂いた。ほとんどの人が塗装の実務によって色を学びながら知識や技能を習得していき、体系的なプログラムを学習した経験はないとのことであった。
会場は会社と関係の深い居酒屋の2階を借りて行ったので、講座終了後は1階で杯を酌み交わしながらの意見交換会となったが、この会話のなかで、学び直しに対する要望を強く感じるとともに、カリキュラム案の修正点についても方向性が明らかになった。
受講頂いた方には紙面を借りて改めてお礼申し上げます。
〈赤木 重文〉
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