1998年に発行した「カラーレンジマニュアル100」と同じ色を用いて、現在、高齢者と若齢者を対象にカラーイメージ調査を新たに実施している。
今回紹介するカラーイメージデータは、100色の中の「オレンジレンジ」に含まれる色である。
具体的には、vivid reddish orange(10R 5.5/14)、vivid orange(3YR 6/14)、vivid yellowish orange(9YR 7/14)、deep reddish orange(10R 4.5/11)、light orange(3YR 7.5/7)、light yellowish orange(9YR 8.5/6)、dull orange(3YR 6/7)、dull yellowish orage(9YR 7/7)の8色である。
■調査方法
A5判グレイ台紙(N7)中央に、名刺大サイズの該当色紙を貼り付けたものを調査刺激とした。
測定者は、実験参加者に調査刺激を提示し、予め用意した17個からなる形容詞対について、5段階で評価をしてもらった。被験者:高齢者・若齢者ともに25名程度。(平均年齢:高齢者70.5歳、若齢者21.8歳)
■特徴
・vivid toneのorange3色は、「明るい」、「陽気な」イメージを高齢者・若齢者ともに抱く。これら3色における上記2形容詞に対する順位は、100色中15位以内である(各色のプロフィール図下には各形容詞に対する、100色中の順位について10位までを示している)。
・vivid reddish orangeとdeep reddish orangeは、「くどい」、「強い」印象を高齢者は抱く。100色中の順位も高齢者では10位以内。特にvivid
reddish orangeは1位。
・高齢者と若齢者で差が見られる色はlight yellowish orangeとvivid orangeであり、light yellowish orangeは、若齢者よりも高齢者でより「明るい」、「陽気な」、「きれいな」、「好きな」イメージを抱く。vivid orangeは、高齢者よりも若齢者でより「明るい」、「陽気な」、「派手な」、「子どもっぽい」イメージを抱く。
・light yellwoish orangeは、年齢層による差がみられる。しかし、同じlight toneであるlight orangeは若齢者と高齢者間の差は小さく、ほぼ同様の平均評価得点を示す。
・dull toneの2色は、高齢者にとって「明るい」、「陽気な」、「きれいな」、「好きな」というポジティブな印象を若齢者よりも抱く。特に、dull
orangeについては、「好き−嫌い」の平均評価得点の差が年代層間でやや大きくなっている(若齢者では、「嫌いな」の順位は100色中3位である)。〈大内
啓子〉