ある言葉を提示し、その言葉から想起する色名を聴取した。
対象としたのは、デザイン系大学生159名である。なお、本調査は2007年に実施した。
言葉の種類は、表1に示した11種類であり、それぞれの言葉から想起する色名を、表2に示した13種類の中から1つのみを選択してもらった。
1.怒り | 2.幸福 | 3.孤独 | 4.家庭 | 5.罪 | 6.夢 |
7.嫉妬 | 8.癒し | 9.不安 | 10.平静 | 11.永遠 |
赤 | 橙 | 黄 | 黄緑 | 緑 |
青緑 | 青 | 青紫 | 紫 | 赤紫 |
ピンク | ブラウン | オリーブ |
<結果>それぞれの特徴は以下の通り。
1.怒り:90%以上が赤を選択する。個人差が少ない。
2.幸福:40%が黄色を選択。その他ピンク・白・橙と続く。全体的に明度の高い色が選択される傾向がある。
3.孤独:グレイ・黒といった無彩色と、青・青紫・紫といった青から紫系にかけた色名が選択される。
4.家庭:橙が40%以上選択される。寒色系の色名への選択率は低い。
5.罪:黒にある程度の集中がみられる。有彩色の色名への選択は非常に少ない。黒とグレイを合わせると約80%となる。
6.夢:ある特定の色名に集中することはない。白・黄色・ピンク・青がそれぞれ20%程度の選択率を示す。
7.嫉妬:紫・赤紫が最も高く、次いで赤が選択される。この3色で70%以上を占める。
8.癒し:ナチュラル系の緑・黄緑・ピンク・オリーブが他の色名よりも高い選択率を示す。
9.不安:孤独や嫉妬で選択率の高い、青から赤紫系・グレイの割合が高い。ある特定の1色名に集中することはない。
10.平静:青が50%以上を占める。暖色系の色名への選択率は低い。
11.永遠:白が40%近くを占める。暖色系の色名への選択率は低い。
(研究第一部 大内 啓子)