11月16日は「イイイロの日」※です。この記念日に合わせ、財団法人日本色彩研究所(埼玉県さいたま市、理事長:平井敏夫)は、
日本人の色意識と映像に関する調査を実施しました。以下にプレスリリース(2006年11月14日発表)からの抜粋をご紹介します。
<まとめに>
現在の日本人の色意識は「プロ化」が進行している
財団法人日本色彩研究所 色彩調査研究室 名取和幸
古くから日本人は色への関心が強い。四季による豊かで繊細な色の変化が身の回りにあることも関係し、平安時代には、宮中の装束における多くの配色に「かさねの色目」と呼ばれる名前が一つ一つ付けられていたくらいである(例えば冬に 着る「雪の下」という配色は、梅に白い雪が積もったように、紅梅色が白地を透かして見せているさまを想像させる)。 そして2006年の現在。11月16日(イイイロの日)の調査からは、色への関心が、さらに一層広がりを見せていることが
明らかになった。
まず、色へのこだわりにおいて、「質的な変化」がみられている点に注目したい。一つは「関係へのこだわり」について。色の好み一辺倒の評価から「コーディネート感」が重視されるようになっている点である。色の評価がより高度化しているといってよい。もう一つは「自分→広い視点」の側面である。色は、洋服や化粧の色など身近なところから自己表現の手段の一つとしてスタートした。それが、持ち物、インテリア、建物外観、さらには街並みに対しても関心が向けられている。色と色との関係性に注目し、より大きな視点からとらえるという姿勢は、色彩設計のプロが行うやり方に他ならない。日本人において、色彩意識の「プロ化」は確実に進んでいる。
調査では、色へのこだわりが強いと予想される映像機器を取り上げ設問を組み立ててみた。人の心の中には、大好きなAさんの姿や先日訪れた街や大自然が住んでいる。こう見えてほしいという理想がある。であれば、その再現はシビアになると考えるのは自然だろう。結果、映像機器の場合、画像の特に美しい色の欲求が非常に高いことが確認された。
しかし、特に薄型テレビは、DVD、デジカメ、パソコンディスプレイなどと比べ、色の重要度が極めて高いと評価されたことは新しい発見であった。加えて、テレビという、主に映像の良し悪しにより評価されていたプロダクトに、現在はインテリア性が強く求められていることも明らかになった。これなどは、上述の「色彩意識のプロ化」の反映の一つだと納得できる。
色彩意識のプロ化が進んでいる理由として、誰もが自分で気軽に画像を扱えるようになってきたこととの関係を指摘する。現在、カメラ店に足を踏み入れると、凄まじい種類のパソコンやデジカメ・携帯に取り囲まれる。これらの目覚しい普及に伴い、画像は気軽に創れる対象となった。自分で撮影したカラー画像をディスプレイで見たり、プリンターで打ち出す。また、イメージを自由にCGで表現する。それもかつてからは信じられないくらい安価に、という具合である。付け加えるに、90年代に始まった色彩に関する検定の登場も意識のプロ化に影響しているかもしれない。 なお、現在の年間受験者数はおよそ15万人という。
欲求としての色へのこだわりに加え、知識・経験の習得、そして、それを実現できる優れた色再現映像機器の開発とがあいまって、色彩意識のプロ化は今後もますます進んでいくことだろう。印象派の画家たちはチューブ入りの絵の具を手にし、屋外で自分が見た風景を、そして光を描くことができるようになった。
今、私たちは光(ディスプレイ)と絵の具(プリンタ)の両方を手に入れ、誰もが知らず知らずにして色彩表現のプロへの道を歩もうとしているのである。
<調査概要>
調査時期:2006年11月 有効回収数:411s 調査実施機関:株式会社マクロミル
調査対象:首都圏(1都3県)在住の20〜69歳 男女 調査方法:インターネット調査
調査主体:財団法人日本色彩研究所
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「日本人の色意識と映像に関する調査」PR事務局
担当:出口・久井(株式会社アンティル)
TEL:03-5572-6061 E-mail: sony_pr@vectorinc.co.jp |