「南 風」
(1907 国立近代美術館蔵)
当研究所の創立者である和田三造(1883−1967)の展覧会が、出身地である兵庫県姫路市で開催されています。
彼の作品のかなりが戦災によって焼失、散逸したためもあって、大規模な展覧会は30年ぶりです。第1回文展に出品した「南風」が最高賞を得、文部省からフランス留学を命じられるなど画家として華々しいスターとを切りました。留学中に色彩への関心が萌芽したようで、帰国後の1927年には、当所の前身である日本標準色協会を設立して、終生わが国における指導的色彩研究者としても多くの成果を挙げました。
姫路市立美術館からのご要望でお貸しした「日本標準色カード500」は、初期の労作で、彼が収集した美術作品や布、皮革、陶磁器、金属などの断片から精選した色見本集です。その作業に従事した当所の先輩たちは、"色ゴミ10万と悪戦苦闘した"と話しておられました。同じ色について繻子織、綾織、縮緬織の3種類の見本が用意されており、光沢・マチエールが統制されています。和田三造の画家マインドの発露でしょう。
しかし、彼は好奇心旺盛で科学マインドもあったようで、自然科学系の人たちとも交流をもち、所員としても迎え入れました。その成果が、今日当所が製作を担当している「JIS標準色票」などに継承されています。テレビ東京の取材に、標準色票の進歩の跡の一端を紹介しました。
(日本色彩研究所理事長 近江源太郎)
彼の作品のかなりが戦災によって焼失、散逸したためもあって、大規模な展覧会は30年ぶりです。第1回文展に出品した「南風」が最高賞を得、文部省からフランス留学を命じられるなど画家として華々しいスターとを切りました。留学中に色彩への関心が萌芽したようで、帰国後の1927年には、当所の前身である日本標準色協会を設立して、終生わが国における指導的色彩研究者としても多くの成果を挙げました。
姫路市立美術館からのご要望でお貸しした「日本標準色カード500」は、初期の労作で、彼が収集した美術作品や布、皮革、陶磁器、金属などの断片から精選した色見本集です。その作業に従事した当所の先輩たちは、"色ゴミ10万と悪戦苦闘した"と話しておられました。同じ色について繻子織、綾織、縮緬織の3種類の見本が用意されており、光沢・マチエールが統制されています。和田三造の画家マインドの発露でしょう。
しかし、彼は好奇心旺盛で科学マインドもあったようで、自然科学系の人たちとも交流をもち、所員としても迎え入れました。その成果が、今日当所が製作を担当している「JIS標準色票」などに継承されています。テレビ東京の取材に、標準色票の進歩の跡の一端を紹介しました。
(日本色彩研究所理事長 近江源太郎)
特別企画展「和田三造展」開催中 (2009'9/12〜10/25) 詳細は姫路市立美術館HPにてご覧下さい |