<研究1部報>タイにおける色彩意識共同調査の実施について
COLOR No.160掲載
当研究所HPのトップに示していますように、現在、タイのバンコクにおける消費者色彩意識調査の準備が進められています。来年1月に実施予定の、その調査の概要などを少しお話しいたしましょう。
タイは、これまでASEANにおける生産拠点・ハブとしての役割が中心でしたが、近年はGDPの伸長も著しく、商品やサービスの購買、消費地としての重要性も高まっています。また、第1回のアジア色彩学会(ACA2013)が12月上旬に開催されるなど、色彩への関心も高まりをみせている国です。
今回の調査は当所が主催し、タイの市場に関心を持つ企業を募り共同調査の形で行なわれます。参加企業は各社2問の自由質問を設定でき、その設問と結果はクローズとなります。
タイの人々の色彩意識を探るための基本質問として、色への関心度、色の好き嫌い、欲しい色(商品別)、あるイメージを感じる色(Luxuriousな色、Cuteな色、Coolな色・・・)などを設定しました。タイ固有の色彩意識、日本との共通性などを明らかにしたいと考えています。
使用するチャートには、通常のソリッド色以外に、メタリック調のものも用意します。また、WEB調査ではなく会場での調査であり、大学生300名、一般社会人300名と数多くの回答者を対象にしています。それだけにタイの協力組織との交渉を含め(国内協力機関の日本ファッション協会には大変お世話になりました)、実施はかなり大変です。しかしながら、どのような服装のどのような人が回答したかを見ることもでき、製品サンプルを提示できるなど、リアルな調査となります。得られる結果は有効に活用できることを期待しています。
調査結果は参加企業が共有するものですが、現地視察の結果と合わせて、日本流行色協会でのセミナーなどにおいて基本的な結果は部分的にお話しできると思います。
なお、調査実施はタイのFPDC(Fashion Product Development Center)のTTS(Thai Trend Spotting)というグループにご協力いただき行います。TTSはバンコク周辺のストリートスタイルの調査を行なっており、サイトに掲載されている男女は中々にファッショナブルです。一度ご覧あれ。
http://thaitrendspotting.wordpress.com/
〈名取 和幸〉