一般財団法人日本色彩研究所

<測色資料>くだもの(8) -柿の色-

pen COLOR No.66掲載

カキというと、小さい頃にだれでも一度は渋柿の経験があるだろう。「ガブッ」と一口食べてはみたはよいが、その渋みのすごいこと、あわてて吐き出しても、口の中にはまだ渋みが残っている。近頃の店頭では、品種改良や渋抜きがよく、このような経験をしたことのない人がいることであろう。

柿のイラスト

カキの果実は、大・中の大きな扁円、長円、長楕円形,長形の形態があり、果皮は帯黄紅色、淡黄だいだい色、果肉は黄紅色、淡紅色がある。
一般的にカキの色味(果皮:ほどよいころ)であるが、各印刷色見本色、色票類(JIS準拠標準色票,農林水産省編・日本園芸植物標準色票,デザイン色票・クロマトーン707など)および文献等を調べると下記のような領域となり、英名ではstrong reddish orange または、orangeと呼ばれている。
 色相(H):9R~3YR(果肉など10YR)
 明度(V):5~7
 彩度(C):8~14

今回は富有柿と蜂屋柿(一般に渋ガキや干しガキで知られている)の2種類で、果皮及び果肉(十分水分を取ってから)を測色した。

測定の結果

柿の分光分布図
分光分布図
A:富有柿(果皮)9.3R 4.7/11.2
B:富有柿(果肉)5.9YR 6.4/8.4
C:蜂屋柿(果皮)3.6YR 6.4/13.7
D:蜂屋柿(果肉)8.4YR 6.8/9.9
マンセル値