一般財団法人日本色彩研究所

<測色資料>くだもの(4)-熱帯性の果物-

pen COLOR No.59掲載

最近の店頭を見ると、あまり馴染みのない果物が多く目に付く。それは特に熱帯産の果物である。
そこで、今回は果物シリーズの4回目として、アボガド、キューウィ・フルーツ、パパイア、マンゴを選択し測色してみた。

アボガド、キューウィ・フルーツ、パパイア、マンゴの写真

測定方法は、いずれも果皮をそのまま測定部に当てて測色した。ただし、パパイアとマンゴは熟してくると黄色くなると思われるので、おもに黄味の部分を測色した (特にマンゴは明らかに黄味の部分である)

分光分布を見ると、パパイアとマンゴはいずれも一連の「葉色」や「果物」シリーズなどに見られるような特異な吸収点があり(分光分布中の波長675nm付近)、これは葉緑素である。また黄味が強くなると葉緑素が少なくなるのが、両者を比較するとよくわかる。

なお、今回試料の味覚は、キューウィ・フルーツは誰でもおいしく食べられるが、その他の果物は一種独特な臭みが感じられるが、なれるとおいしいものである。今回の試料は、部分的にあまり色が均一でなく、同一種類のものでも色相が多少違っているものがあった。

測定の結果 

アボガド、キューウィ・フルーツ、パパイア、マンゴの分光分布図
分光分布図
A:アボガド1.7YR 2.6/1.0
B:キューウィ・フルーツ9.2YR 4.4/3.6
C:パパイア0.6GY 6.6/6.7
D:マンゴ1.9Y 6.7/9.4
マンセル値