<測色資料>生肉(豚肉、鶏肉、牛肉)
COLOR No.71掲載
生肉における赤みは、血液中のヘモグロビンと筋肉中のミオグロビンによるものであるが、食用の生肉は血抜きをしてあるので、主にミオグロビン系の物質によるものである。ミオグロビンは赤紫色であるが、空気に触れると酸化、変色する。酸化のしかたには2種類あり、Fe++イオンの酸化を伴わない酸化で鮮赤色のオキシミオグロビンになるものと、Fe++の酸化で褐色のメオミオグロインになるものである。鮮度の高い物はオキシメオグロビン、低い物はメトミオグロビンが多く含まれているものと考えられる。
肉色にはもう一つの要素である脂肪による白色があり、全体としては脂肪分の比率と鮮度に左右される。
今回のサンプルは、薄切り状のものを厚さ1cm程度に重ねて白色面の上に置き測定した。
店頭や家庭では白い器に盛られることが多いとの考えからである。脂肪分やスジは避け、均一な部位を測定した。540nm付近と580nm付近の凹みがメトミオグロビンの吸収によるものである。
測定の結果
豚肉(赤身) | 1.1YR 4.6/3.7 |
豚肉(ロース) | 0.7YR 5.6/4.7 |
鶏肉(ささみ) | 8.0YR 5.8/2.8 |
牛肉(肩肉) | 7.0R 4.2/8.0 |