一般財団法人日本色彩研究所

<測色資料>コーヒーの色

pen COLOR No.166掲載

今回はレギュラーコーヒーを取り上げた。最近、コンビニでのレギュラーコーヒーの販売が始まり、既存のコーヒーチェーン店を交えて熾烈なコーヒー戦争が繰り広げられている。試料としてはコンビニ、ファストフード、コーヒーチェーンなど11店からレギュラーコーヒーのブレンドをホットで購入した。その後持ち帰って常温にて測定を行った。測定は日立製C2000型分光光度計を用いて10mmのセルに入れて精製水基準で分光透過率を測定した。色度は2°視野D65光源で求めた。L*a*b*表色系は本来、表面色が対象であるがあえて使用した。分光透過率分布(図1)は基本的に同様だが、濃淡の違いと、わずかだが立ち上がり波長の違いが見受けられる。a*-b*図(図2)からは彩度が高くなる程や色相が黄みに変化することが判る。L*-H°図(図3)、L*-C*図(図4)からは鮮やかさや色相が明度に依存していることが判る。これらは濃色を希釈した際によく見られる傾向である。L*値からは比較的低明度の2点と比較的高明度の2点が見られ、3群に分かれていることが判る。他店と差別化を図るこだわりがあるのだろうか。

試料L*a*b*H°C*
A34.838.058.957.270.1
B32.537.155.156.066.4
C22.237.538.145.553.1
D22.036.437.846.052.5
E17.836.1303640.347.3
F18.631.531.945.344.8
G13.732.023.636.439.7
H15.825.126.947.036.8
I10.226.317.533.631.6
J3.415.15.921.116.2
K2.77.34.632.48.6
表 測定結果
図1 分光透過率分布
図2 a*-b*図
図3 L*-H°図
図4 L*-C*図

〈小林 信治〉