一般財団法人日本色彩研究所

episode2:JIS関連色票の製作

JIS標準色票 第9版

図1 PCCS色相環

 JIS標準色票は、「JISZ8721 色の表示方法-三属性による表示」に準拠した一定間隔に並んだ目盛りに応じた色見本(色票総数2141色)が収録されています。これは“重さに「秤」”が、“長さに「ものさし」”があるように、“JIS標準色票が色の「ものさし」”として機能するということです。「ものさし」ですから当然のように色を測ることができます。未知の色を「JIS標準色票」の中の色と比較して同じ色か最も近い色を探します。
「JIS標準色票」では、色見本の並びが常に連続していて他の色見本のようにいきなり飛んでしまうことがありませんので容易に探し出すことができます。後はその目盛りを読み取るだけで色の測定、つまり数値化ができます。逆に数値から色を探すこともできます。たとえば、「JIS Z 9103図記号―安全色及び安全標識―安全色の色度座標の範囲及び測定方法」では黄色を三属性による表示 (マンセル値、HVC値)で7.5Y 8/12としています(表1)。7.5Y8/12と言われてもなかなかどんな色かわからないのが普通ですが、「JIS標準色票」を見ればその値の色見本が掲載されているので色を直接確認できます。また同規格の中では青は2.5PB3.5/10とされています(表1)。「JIS標準色票」にはこの色見本は掲載されていない(※)のですが、2.5PB3/10と2.5PB4/10が記載されているのでその中間の色だとわかります。

監修:日本規格協会JIS色票委員会、発行:(一財)日本規格協会、製作:(一財)日本色彩研究所

製品の仕様

製品の仕様

色票総数 2141色
携帯用特製ケース入り
●カラーチャート 40枚
●色相環チャート 1枚
●明度スケール(18段階) 1枚
●色比較用マスク 白・灰・黒各2枚
●説明書 1冊
製品の特徴

製品の特徴

●JIS規定に基づく正確な色票
●独立したカラーチャート
●堅ろうなカラーチップ
●色彩が豊富なカラーインデックス
●実用的な光沢版、使いやすい携帯版
●外国製品と比べて正確で廉価

JIS色名帳 第2版

図1 PCCS色相環

JIS色名帳は「JIS Z 8102 物体色の色名」に基づいた系統色名481色の代表的な色を定め、その色見本が横方向に色相、縦方向にトーンの順で3ページに分けて貼付されており、一目で全体を見渡すことが出来る色見本です。
未知の色をこのチャートと比較し、最も近い色を探しだせば見つけた色の系統色名がその未知色の系統色名となります。他方、類似した未知色が同じ系統色名となることもあり、これは色名レベルでは同じ色であることを意味します。逆に系統色名が与えられた時、色名帳を見ればその色名がどんな色かを確認することが出来きます。

他にも、たとえば、医薬品の業界では薬の混同、誤認といった問題が起きることがある。同じような形状、色のものは混同してしまう恐れがあるということである。機能上大きさや形状を変えることが出来なくても色を変えることで識別が容易になることがあります。市場から錠剤を収集し、系統色名を付与し、系統色名ごとの出現度数を調べることで、市場の錠剤の色分布を検討することも出来ます。効能ごとの色の分布から誤用を防ぐ色の選定やユニバーサルデザインを考慮した色の選定をすることも出来ます。
色名帳があればその場で色を確認しながら色選定が出来ます。

また、商品のカラーバリーションに系統色名を使うと同一色相で濃淡のバリエーション、同一トーンで色相のバリエーションといった色選定もわかりやすくでき、商品紹介に系統色名を使うことで高齢者などに対する色の伝達もしやすくなる。
このように「JIS色名帳第2版」は色彩調査から色彩デザインまで広く利用することが出来る。

監修:日本規格協会JIS色名帳委員会、 発行:(一財)日本規格協会、 製作:(一財)日本色彩研究所

製品の仕様

製品の仕様

JIS色名帳 第2版系統色名 481色
●色名帳 2冊(高彩度編 ・低彩度編)
 三つ折り
 変形A4版(297mm×255mm)/函製
 色票寸法:天地14mm×左右20mm

●解説書 1冊
製品の特徴

製品の特徴

●系統色名は、一覧して比較できる三つ折りのチャート型。用途に応じて使い分けられる「高彩度編」と「低彩度編」の二分冊の構成となっています。

●慣用色名は、付属の解説書に収録される25点の等色相図に系統色名と色分けをして記載し、系統色名との関係を一覧にする「慣用色名索引」により、当該の慣用色名を系統色名の色票で確認することが出来ます。