一般財団法人日本色彩研究所

<測色資料>紫陽花(アジサイ)

pen COLOR No.92掲載

紫陽花が咲いている中で、レインコートを着て傘を差している人の後ろ姿の絵

今年もまたうっとおしい梅雨がやってきた。空には灰色の雲が低く垂れ込め、道は雨に濡れ、景色はモノトーンとなる。そんな景色の中で、ひときわ鮮やかに咲き誇るのが紫陽花である。
紫陽花の花は白から青紫そして淡赤へと変色し、見る人を幾度も楽しませてくれる。しかし『紫陽花』という色名はあまりない。色の変化が大きいためであろうか。『あじさい青』が日本園芸植物標準色票(農林水産省編)にある。

今回は、その紫陽花の花びらを測色してみた。青系、ピンク系、赤系の3色の花が入手できた。花の大きさが異なるので品種が異なるかもしれない。測定試料は、花びら1枚を無漂白の厚紙にのせて行った。
測定結果はいずれも鮮やかな値を示している。モノトーンの背景にあっては、ひときわ目立つのがよくわかる。分光反射率カーブを見ると、短波長域(青光)の反射率が極端に違うのがわかる。青い色素の量が花色を全く異なるものにしている。

測定の結果

紫陽花の分光分布図
分光分布図
9.0PB 4.3/9.4
ピンク0.2RP 6.3/7.2
6.5RP 4.3/10.3
マンセル値