一般財団法人日本色彩研究所

<測色資料>芥子(からし)

pen COLOR No.79掲載

芥子は黒ガラシや白ガラシやカラシナなどの種子が主原料である。日本のからしは乾燥,除皮した種子を製粉したもので、西洋のからしは油脂を絞った後に製粉している。

油脂を取り除くことによって、保存性が良くなるそうである。辛味のもとは油脂分である無色透明のカラシ油である。したがって、辛味とからし色には直接の関係はないようである。

さて今回の試料は、練りがらしを4点,粉からしを2点。光路10㎜のガラスセルに入れた。測定値は以下の通り。
B:は他の練りからしに比べ粘度が低い。名称は商品に表示されたものである。原材料となったカラシの種類もほとんど明記されていない。D:が黒ガラシ、F:が和ガラシと記されていた。
分光カーブの形状は、粉が単波長側で比較的高い値を示したものの、特徴的な差は見られない。マンセル記号は、粉が特に明度が高く、ビネガーなどで粘度を低くしたマスタードが彩度が高い。和洋に明確な差は見られなかった。

測定の結果

からしの分光分布図
分光分布図
A:洋風練りからし1.0Y 4.8/5.7
B:マスタード2.4Y 6.4/8.5
C:和からし(練り)2.8Y 5.8/6.3
D:和風練りからし2.6Y 5.5/6.8
E:からし粉3.6Y 7.5/5.4
F:からし粉3.0Y 7.1/5.0
マンセル値