一般財団法人日本色彩研究所

<測色資料>蒲鉾

pen COLOR No.74掲載

魚のすり身を原料にした加工食品はちくわ、はんぺん、つみれなど数多くあり、この時期にはおでんなどに欠かせない材料である。これらの食品に対して同種の原料を用いながら着色剤を加えるという独特の工程によって原料本来の色とまったく異なる色を加えられたものとして蒲鉾がある。

蒲鉾は白身魚をすり身にし、種々の添加物を加え成型し、蒸すまたは焼いたもので、基本的に白色であるため着色剤による高彩度色がだしやすいのであろう。技術的には広範な色が出せるはずであるが、食品としての制約であろうか赤色以外の着色剤を使用したものは見当たらない。市販品は白色、ピンク色、そして茶色の焼き色をつけたものの3色に大別できる。


今回は新年にあわせて紅白の2色を取り上げた。試料は2点とも板についたままで肉厚25mmの表面を測色した。ただし、ピンク色の試料は表面の約1mmのみピンク色で内部は白色。

測定の結果

分光分布図
白色3.5GY 8.4/0.9
ピンク4.8RP 6.1/13.1
マンセル値