一般財団法人日本色彩研究所

<研究2部報>色粘土による混色

pen COLOR No.161掲載

色粘土とは手芸細工などで人形などの小物を作るのに用いられる予め着色された粘土で様々な種類のものが市販されている。当研究所でも任意の色を作る混色実習に用いている。絵の具よりも取扱いが容易なため気楽にできる強みがある。先日、色彩指導者の方から問い合わせがあったので紹介するとこととした。今回用いたのは酢酸ビニル系のもので白、黒、赤、黄、緑、青を基本として10数色のバリエーションがある。図1は有彩色4色と隣接色を重量比で50%ずつ混ぜたものを測色しa*b*図にプロットした。黄との混色ではなかなか黄色に近づかない。黄の着色力がとても弱いと言える。赤と青の混色ではとてもくすんでしまい、さらに明度も低いことかなり黒っぽい色となった。たとえ同量で混ぜても中間の色になるとは限らないことが判る。図2~4は白との混色結果をL*C*図にプロットした。赤は直線的に変化するのに対して緑や紫は弓なりに変化している。白を混ぜると鮮やかになる色と単にうすくなる色があることが判る。このような実習は色彩教育の一環として重要である。測色は日本電色製SD-6000を用いた。

〈小林 信治〉

図1 有彩原色とその中間色
図2 赤原色と白原色の混色
図3 緑原色と白原色の混色
図4 紫(赤原色と青原色)と白原色の混色